運転免許証の有効期限が近づいて，高齢者講習会の案内が郵送されてきましたが，81歳になり，そろそろ年貢の納め時と悟って，60年近く使ってきた運転免許証を自主返納することにしました。

　高齢者による交通事故は後を絶ちませんが，交通事故死者の統計資料を見ますと，75歳以上の死者数の年齢層別比率は1988年に約18％だったのが2008年には29％と大幅に増えています。ニュースで見聞する交通事故の原因の中には，高速道路を逆走したり，アクセルとブレーキを踏み違えたりと，常軌を逸したものがありますが，ここでも高齢ドライバーの比率はかなり高いと思われます。22歳で運転を始めた私にとってアクセルとブレーキの操作は不随意筋によるようなもので，まさか踏み違えるようなヘマはしないと自負していますが，注意力が散漫になっている可能性は高いので，進入禁止の一方通行の道に迷い込まないとは限りません。3年前に受けた高齢者講習では，明るいところから急に暗いところに入るとき，目が暗さに慣れるまでに時間がかかることを知らされました。快晴の日に山道を運転して日向と日陰が交互に現れるような場合は不安に思います。手足の反応速度はあまり劣化していませんが，身体が固いのでバックするときに後ろを振り返るのが苦痛です。運転免許証を返納する理由はいろいろありますが，運転を止めると行動の自由が制約される農村地域の方と違って，私の場合は自分で車を運転する必要性が低いことも理由の一つで，これはありがたいことだと思います。